https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180119-00000049-mai-soci

「廃虚の聖地」として知られる宮城県大崎市の遊園地「化女沼レジャーランド」(後藤孝幸社長)が売却先探しに奔走している。
敷地内に朽ちた遊具が残り、その廃れた雰囲気が多くの人を引き付けてきた同ランド。売り出し始めた2016年6月以降、約10件の問い合わせがあったが、売却先は決まっていない。
後藤さんは「観光地として再建させる夢を引き継いでくれる人に購入してもらいたい」と呼びかけている。

 昨年12月中旬、記者は後藤さんと一緒に雪が残る同ランドを訪ねた。
赤いさびが目立つ「化女沼レジャーランド」と書かれたアーチをくぐり、高さ約1メートルほどの雑草が生い茂る敷地内をしばらく車を走らせると、赤い小さな看板が見える。
朽ちて曲がっているため、「いらっしゃいませ」の文字の一部は読み取ることはできない。

 周囲に視線を巡らせると、メリーゴーラウンドや観覧車などの遊具が目に飛び込んできた。いずれも後藤さんが米国やドイツなど海外から買い付けたものだ。
下車して近づくと、さびてはいるが花などの細やかな装飾は残り、往時の華やいだ空気を伝える。「廃虚マニアの人はさびてるからいいって言うんだよね」。
後藤さんは遊具を見つめながらぽつりとつぶやく。

 同ランドは1979年に開園。約15万平方メートルの敷地に遊具やゴルフ練習場などが整備され、最盛期には年間20万人が訪れた。
しかしバブル崩壊の影響で来園者が減少して経営が悪化し、01年に閉園となった。後藤さんは「悔しいが、時代の流れだった」と話す。