なぜ急増しているのか、詳しい理由は不明だ。世界保健機関(WHO)の統計などによると、世界で
毎年600万人が感染し、先進諸国でも増加傾向にある。国内外の移動の活発化が一因とみる専門家は多い。

性産業の女性と男性客の間での感染拡大、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及で
気軽に性的接触ができることも理由に挙がっている。

事態はさらに深刻化している。産婦人科医院「早川クリニック」(大阪市)ではここ2年、主婦やOLの
患者が風俗関係の患者数を上回った。早川潤副院長は「相手が1人に定まっている人も安心できない。
誰もが警戒すべきだ」と話す。

母子感染した「先天梅毒」の子どもの数も、国内では長らく1けた台だったが、14年は10人、15年は
13人に増加。対処が遅れると将来、失明や難聴などの後遺症を負う恐れもある。早川副院長は「妊娠初期に
行う梅毒検査を、妊娠後期にも加えるよう検討した方がいい」と指摘する。

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20171220-OYTET50005/