米国東海岸では猛烈な寒波の影響で、低体温状態に陥ったイグアナが木から相次いで落下したり、マナティーが凍死するなど野生動物が犠牲になっているが、マサチューセッツ州ではカチンカチンに凍ったサメ4匹が打ち上げられた。

 北米では昨年末以降、猛烈に発達した爆弾低気圧の影響で、平均気温が平年より15℃以上下回るなど、各地で暴風雪が吹き荒れ、ケープコッドから50キロほど沖合に浮かぶナンタケット島では、海が波の形を残したまま凍り付いた。

 大西洋に生息するホホジロザメの保護活動を行っている「Atlantic White Shark Conservancy」は12月30日、米東北部マサチューセッツ州東端のケープコッドの浜辺に絶滅のおそれがあるオナガザメ4匹が凍り付いた状態で死んでいるのを発見した。

 当初、地元では4匹の死因を水温低下による凍死だとみていたが、マサチューセッツ州のサメの専門家グレッグ・スコマル氏は、オナガザメは、
12月下旬まで付近の湾に残る傾向があるため、凍り付いた湾から外海に脱出できなくなって、呼吸できなくなって座礁したのが原因だという見解を示している。

 さらに、アオザメやウバザメなど他のサメと比べて、大鎌のような尾ひれを持つオナガザメは、外部から熱を取り入れる吸熱機能があるため、代謝熱をある程度維持することができるという。

 専門家は「呼吸器不全など、なんらかの慢性疾患があったのかもしれない」として、屍体の解剖を進めて原因特定を急ぐと話している。

http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/3/23342.html