ソニー、営業利益予想を6300億円に上方修正
ソニーは今期(2018年3月期)の営業利益予想を前年同期比2.2倍となる6300億円(従来予想は5000億円)に上方修正した。為替レートを円安方向に見直したことや、
半導体や音楽、家庭向け映像・音響機器分野の好調が要因。アナリスト25人による営業利益の予想平均5819億円を上回った。

  31日の開示資料によると、イメージセンサーなどの半導体分野の営業利益が8月時点の1300億円から1500億円に増える見込み。またテレビなど家庭向け映像・音響機器分野と音楽分野でも利益の拡大を見込む。
売上高予想も8兆5000億円(従来は8兆3000億円)、純利益予想は3800億円(同2550億円)に増額した。

  ソニーは映画部門の損失が業績の足を引っ張った前期からの回復を目指し、各分野のてこ入れと収益力強化を進めている。通期で6300億円の営業利益を達成すれば、5200億円台だった1998年3月期を超え過去最高となる。

  ソニーの吉田憲一郎副社長兼最高財務責任者(CFO)は決算会見で、過去最高水準となる営業利益予想について「20年間自分自身を超えられなかったと総括すべきだ。
重要なのは過去よりも未来に向けて成長できるか。生き残っていけるかだ」と述べた。その上で、年末商戦や為替などの不確定要素もあり、「現時点で当社としてはこれが最適レベル」とした。

さらなる成長への第一歩
  同時に発表した7−9月期の売上高は前年同期比22%増の2兆625億円、営業利益は4.5倍の2042億円、純利益は8.4倍の1428億円となった。

  サンフォード・C・バーンスティーンのアナリスト、デビッド・ダイ氏(香港在勤)は業績の上方修正について、「5000億円はかなり保守的だったので6300億円という予想には全く驚かないが、
経営陣がさらに高い目標の達成に自信があることを示したものだ」と指摘。今後の持続的な成長に向けた第一歩になるとみている。
  
  主力ゲーム機「プレイステーション(PS)4」の7−9月期の販売台数は420万台(前年同期は390万台)だった。1800万台だった年間目標は1900万台に引き上げた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-10-31/OYFA4O6KLVR501