3メガ銀が「口座維持手数料」検討へ マイナス金利で苦境、30年度中にも結論
http://www.sankei.com/economy/news/171231/ecn1712310006-n1.html

 三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクが、
銀行口座の維持にかかる費用を手数料として預金者から徴収できるか
検討を始めたことが30日、分かった。日銀のマイナス金利政策で
銀行が利益を出しにくくなったことが最大の要因で、本格導入は
国内銀行で初めて。平成30年度中にも結論を出す考えだ。

 3メガは保有する株式や国債の価格が高止まりしていることもあり、
30年3月期の収益は高水準とみられるが、日銀の大規模金融緩和で
「金余り」が続き、企業向け貸し出しは伸び悩んでいる。さらに、
28年のマイナス金利政策の導入で金利が低く抑えられ、
銀行の利ざや(貸出金利と預金金利の差)は縮小を余儀なくされている。
東京商工リサーチによると、29年3月期決算で国内114行の
64%で利ざやが減少した。

 3メガとも収益改善を目指し、まずは人工知能(AI)による
効率化などで店舗の統廃合を進め、3メガ単純合算で
3万2千人分の業務量を減らす。

 ただ、今後もマイナス金利政策が続く場合は、こうしたリストラだけでは
お金を預かって貸し出すという本来業務で収益を生み出せなくなるという。
このため、3メガは企業向け、個人向けの預金口座について
口座維持手数料の徴収が可能か慎重に検討。
個人向けは年間数百〜数千円が軸とみられる。

 口座維持手数料をめぐっては、三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の
米MUFGユニオンバンクが預金者から月2千円程度を徴収するなど、
海外の商業銀行はほぼ全て導入しており、「無料」は日本のみとなっている。

 ただ、三井住友銀行子会社のSMBC信託銀行は、
米国系シティバンク銀行が日本で手掛けていた個人向け事業を買収したのに伴い、
27年から残高が一定額を下回ると、月2千円の口座維持手数料を徴収。
「24時間365日、国内外で銀行取引できるようにしたサービスの対価」との
位置づけだ。3メガはライバルの動きを見極めながら慎重に判断する。