低所得の喫煙者に打撃 たばこ税増税で負担重く

二〇一八年度の与党税制改正大綱に、たばこ税の増税が盛り込まれ、たばこが今後、大幅に値上げされる見通しになった。
たばこは増税による値上げが続いており、平均価格は二十年前に比べ二倍近い水準。
追い打ちの値上げは、喫煙率が比較的高い低所得者には強烈な打撃となりそうだ。

「何年か先には一カ月のたばこ代は千円ぐらい増えてしまいそう。その分、生活費を削るのはすごく苦しい」。
こう訴えるのは東海地方のアパートで一人暮らしをする五十代男性。

注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断されている上に不眠症、うつの症状もあって会社勤めは長く続かなかった。
七年前から生活保護を受けており、生活扶助費(日常生活費)は月七万二千円ほどだ。
若いときに勤めていたパチンコ店が従業員にたばこを無料で配っていたことがきっかけで愛煙派に。以来、約三十年間、たばこを吸い続ける。

最近愛用しているのは、加熱式たばこ。おおむね一日一箱のペースで、たばこ代は月額約一万四千円に上る。
「食費を月一万円ぐらいに抑えざるを得ない」状況だという。

低所得者の喫煙率は高所得者に比べ高いとされる。
厚生労働省が一〇年に実施した国民健康・栄養調査によると、男性の喫煙率は所得二百万円未満で37・3%、
二百万円以上六百万円未満は33・6%、六百万円以上は27・0%だった。所得が低いほど喫煙率が高くなる傾向が見られた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201712/CK2017122802000176.html