豊洲市場のオープンが来年10月11日に正式に決まり、市場業界の各団体の幹部は、会合のあと記者会見しました。

このうち、水産物の卸業界のトップで、築地市場のすべての団体で作る築地市場協会の伊藤裕康会長は
「意見集約を図り、業界が一致して意見をまとめた。開場日が決まって感無量であり、よかったと思っている。
振り返れば、去年の夏に小池知事が独断で移転のストップを決めたことがいちばんの疑問ではあるが、
こうして知事自身も移転の方針に変えられたので、ずいぶん時間がかかったなというのが実感だ」と述べました。

また、伊藤会長は、豊洲市場への観光施設の整備が確約されていないなどとして
市場の移転に異論を唱えていた地元・江東区の山崎区長のもとを18日に訪ね、
オープン日の決定に理解を求めた結果、決定を支持する旨の回答が得られたことを明らかにしました。

また、500を超える水産物仲卸業者で作り、移転に慎重な業者もいる東京魚市場卸協同組合の早山豊理事長は
「今回の決定は、ことし6月の都の基本方針で中央卸売市場は豊洲であると明言されたことであり、
われわれは都が指定したところで営業するしかない。
組合内部にはいろんな意見はあるが、安全性の確認を大前提に豊洲に移転し、
都と交渉しながら、努力して経営を継続していかなければならない。
ただ、小池知事には多くの組合員が不安や不満を持っており、
仲卸は豊洲市場への移転を納得したと、安易に発言しないようお願いしたい」と述べました。

青果の業界、築地市場青果連合事業協会の泉未紀夫会長は
「青果は水産物の業界に開場日の判断をお任せしてきた経緯があるが、もう疲れ切った。
移転の延期は費用と時間をかけ、業界に分断と混乱をもたらし、ほんとに意味があったのかと思う。
きょうの決定は、業界がみずから築地を閉じ、移転するという市場の将来を決めたわけであり、
『世界の豊洲』と言われるようになるため、皆さんのお力添えを頂きたい」と述べました。




豊洲市場オープン日正式決定 市場業界「時間かかった」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171220/k10011265371000.html