先ごろの解散総選挙を機に、議員の座を退いた亀井静香・元金融担当相(81)が来春、北朝鮮訪問を計画している。安倍晋三首相にも計画を伝えているといい、「核ミサイルを発射させないことが重要」と力説。そのための秘策は? “亀井節”が炸裂する。

「軍事衝突を回避するには、窮鼠(きゅうそ)猫をかむという状況にしてはいかんのであって、過剰な刺激をしてはいかんのだよ。だけど、トランプ(米大統領)はやりかねない」(亀井氏)

 核開発や度重なるミサイル発射で挑発する北朝鮮に対し、日本や米国は経済制裁による圧力を強めている。戦争という最悪のシナリオに危機感を抱く亀井氏の訪朝計画は、対話の糸口を探る独自の試みという。自身初の単独訪朝の概要は、次のようなものだ。

「年明けに、訪韓して文在寅(ムン・ジェイン)大統領や国家情報院長、大統領首席補佐官ら最高幹部に会う。『日本人拉致問題について協力してくれ』とお願いする。また、北朝鮮の暴発を防ぐため、韓国も日本と協力してということです。
その上で北朝鮮に行く。韓国に橋渡しを頼むのと、それから独自のルートもある。時期としては来年2〜3月だね」

 12月初旬、官邸を訪ねて安倍首相にも計画を伝えたという。

「総理に言ったんだよ。『あなたしか世界中におらんよ、トランプに危ない軍事的措置を取らさないようにできるのは』と。総理もね、その点はよく分かっているよ。『自分がやらないとしょうがないな』と話していたから」(同)

 では、平和裏に解決する切り札は何か。

「金正恩(キム・ジョンウン)(朝鮮労働党委員長)には会えないだろうから、ナンバー2、3と交渉することになる。『拉致被害者を返せ、ミサイルを振り回すのはやめろ』と。そうすれば、日本は中国やロシアを上回る思い切った援助をするぞ、と提示する。
『日本の総理が俺に約束しているから』と。実際、総理は俺にそう言っているし。拉致問題を糸口にして、核ミサイルの話に引きずり込むんだよ」(同)

 国連安保理決議など、対北朝鮮政策の主軸は「圧力によって核放棄を促す」ことだが、亀井氏はより現実的な見方を披歴する。



ソース:毎日新聞<亀井静香が吠える! 「圧力だけじゃダメだ!」>
https://mainichi.jp/sunday/articles/20171218/org/00m/010/002000d