>>1続き
こうした眉唾なまとめサイトの情報に「お墨付き」を与えるのは、多くのファンを持つ、論客・オピニオンリーダーです。
メディアへの出演、著書などを多数出版し、ツイッターでのフォロワー(観覧者)も多い彼・彼女らが、「マスコミが報道しない真実」などと一言添えて拡散します。(事実に基づかないから報じないのは当たり前だろ!と思わずツッコミたくなります)

思い込みの書き込みも、大量に集まることで事実のように見え、さらには論客が後押しすることで説得力が増したように感じます。
こうした現象を「エコーチャンバー」「サイバーカスケード」現象と呼びます。
インターネット、特にソーシャルネットワーキングサービス(SNS)では似たような意見の人と繋がることが多く、意見が偏りやすいのです。

情報や意見を受け取る場合は、事実が明らかになっていることを基本に考え、推測が入る場合は割り引いて考え、断言しないこと。そして多方面からさまざまな意見を見聞きすることがネット時代では大事だと感じます。

勝手な思い込みで犯人を決めつける現象は、今年9月に読谷村のチビチリガマが荒らされた時にも発生しました
「荒らしたのはこうした政治思想を持った人間に違いない!」と推理をしていた人たちが出てきましたが、逮捕されたのは地元の少年グループで「いたずらでやった」と政治思想は関係ありませんでした。
この時に推理をしていた人たちは根拠に乏しい理由を並べ、言ってしまえば「どうせ(私が嫌いな)あいつらだろ」というような偏見で犯人を決めつけていました。

これは「推理が外れた」からダメなわけではなく、根拠なく特定の人物・グループを犯人としてあげ、攻撃をすることがダメなのです。

偶然にも推理と一致し、犯人を当てたとしても、それは運が良かっただけで次やると冤罪やデマ、私刑を発生させる可能性が高いのです。
いわば「飲酒運転をしたけど、人を轢かなかった」と自慢しているようなもので、事故を起こさなからと言って、危険運転が肯定されるわけではないのです。

安易な推理は絶対に行わないようにしましょう。

おしまい