「約束を守れ」と韓国の胸倉をつかんだ中国 / 「属国回帰」を呼ぶ?中韓首脳会談

 12月14日の中韓首脳会談で、韓国が「米国との縁切り状」に判を押すかもしれない。それは中国の属国に
戻る道である。(略)

鈴置:結局、韓国が「五輪休戦」を実現するには、中国に頼んでそれを唱えてもらうしかないのです。

── 中国が「五輪休戦」を唱えるメリットは?

鈴置:中国だって地続きの朝鮮半島で戦争を起こしてほしくない。ダメもとで「五輪休戦」を提唱しても、
損にはならないのです。
 ただ中国は、元・属国である韓国の「使い走り」をやるつもりはないでしょう。「五輪休戦を唱えても
いいが、独唱するつもりはない。合唱しよう」と韓国に逆提案するのではないかと思います。
 例えば、今回の中韓首脳会談後に「世界平和実現のため両首脳は五輪・パラリンピック前後の軍事行動は
自制するよう共に世界に呼び掛ける」と共同発表する手です。

── 韓国1国で呼び掛けるよりは効果があるでしょうが、トランプ大統領がそれを受け入れ軍事行動をあきら
めるでしょうか。

鈴置:あきらめる可能性は低いと思います。でも、中国とすれば米国が軍事行動をやめなくともいいのです。
中韓が「五輪休戦」で声を揃えれば、米国は韓国を裏切り者と見なすでしょう。米韓同盟に決定的な亀裂が入ります。
 裏切りが表面化する前から、トランプ大統領は「韓国は歴史的に中国の一部だった」と語り、勢力圏外の国と
認定しているのです
 米国から捨てられることが判明すれば、韓国人の相当数が「米国陣営から中国陣営に戻るしかない」と観念
するでしょう。
 習近平主席がトランプ大統領に教えたように、朝鮮半島の歴代王朝は中国大陸の王朝の朝貢国だったのです。
韓国人には中国の属国に戻ることに、日本人が想像するほど拒否感はありません。
(続く)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226331/121300145/