水陸両生の新タイプ恐竜を発表、まるでアヒル | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

 奇妙な新種の恐竜が見つかった。今から7000万年以上前に古代の地球の湿地を歩き回り、そしてア
ヒルに似た姿で、アヒルのような方法で獲物を捕らえていたようだ。この獣脚類の恐竜は、ハルシュカ
ラプトル・エスクイリエイ(Halszkaraptor escuilliei)と名付けられ、科学誌『ネイチャー』12月6日号に発表
された。

 この恐竜は、白亜紀後期に現在のモンゴルにあたる地域に暮らしていた。当時のこの地域は現在の
ナイル川流域に似た環境で、砂漠の中を流れる川や湖が生命を育んでいた。ハルシュカラプトルはこう
した環境のもと、水陸の両方で暮らすことができた。

 まず、現代の水辺の捕食者と同じように、この恐竜の顔の触覚は非常に鋭かった。暗い水中で獲物を
探すのに役立っていたと考えられる。ほかにも、歯が小さく、小魚を捕まえるのに便利だったことや、し
なやかな背骨とヒレのような前肢をもち、水を切って泳いでいたことがわかる。

 ハルシュカラプトルほど明確に半水生生活に適応していた恐竜は、ほかにほとんど知られていない。
泳げることが最初に明らかになった恐竜はスピノサウルスで、2014年のことだった。スピノサウルスは
魚を食べる巨大な獣脚類で、ただ泳げるだけではなく、ほとんどの時間を水中で過ごしていた可能性が
あるとされた。一方、ハルシュカラプトルの力強い後肢は、陸上を長時間歩けたことを示唆している。

「初めてこの化石を見たときには衝撃を受けました」と、イタリア、ボローニャ大学の古生物学者で、今
回の論文の共著者であるアンドレア・コー氏は語る。「化石は文句なしに完全で、美しく保存されている
と同時に、不可思議で異様であり、奇妙な特徴が混じり合っていました。古生物学者にとっては、これ以
上ないほどワクワクさせてくれる挑戦でした!」

いかソース
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/120700476/
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/120700476/ph_thumb.jpg

Synchrotron scanning reveals amphibious ecomorphology in a new clade of bird-like dinosaurs | Nature
https://www.nature.com/articles/nature24679