「ネトウヨ」の論理と心理について
http://www.huffingtonpost.jp/kazuo-yamaguchi/hate-speech_a_23297212/
(前略)オックスフォード大学教授でイタリアのシシリー島のマフィアの研究の専門家である
ディエゴ・ガンベッタ氏の研究によると、マフィアは組織への忠誠心を第一に考えるが、
仲間内の信頼度の高いマフィアの組織は、組織の人間が外部の人間と交流することを肯定的に考えるという。
外部との交流は情報や人的関係資本でなどマフィアに恩恵をもたらすからだという。
一方仲間内の信頼度の低いマフィアの組織は、組織の人間の外部の人間との交流を否定的に考え、
特に「敵」とみなす外部への不必要な攻撃的行動を頻繁に行うという。

その理論から類推すると、ここからは筆者の憶測だが、「ネトウヨ」の若者の多くは日本が大好きだが、
その日本社会に拠り所となる自分の場がなく、それは自分が日本人として十分に信頼されていないからであると感じ、
信頼獲得のために忠誠心競争をするのではないだろうか。
そして「英霊」は彼らにとって日本への忠誠心の最も疑われない人々と信じ、
「ネトウヨ」は「英霊」との心理的距離により、日本への忠誠心を示そうとしてるように思われる。

最初の問いの答えに戻りたい。@彼らは何を持って人を「反日」とみなすのか? 
答えは中国と韓国やこれらの国に友好的と彼らがみなす人々である。
その理由は中国は南京虐殺事件や、韓国は慰安婦制度問題で旧日本軍の非を主張するからである。
Aなぜ歴史問題への態度だけでなく、より一般に外国に対し友好的な日本人を、「反日」とみなすのか。
これは上記のガンベッタ理論からの推測だが、内部(日本)の人間の日本への忠誠心に疑いを持ち、
自分も疑われるのではないかと恐れて忠誠心競争に走ると、外部と友好的な者を「反日=裏切り者」といって
批判することが一方で保身となり、他方で「ネトウヨ」内で仲間であるとの認証ともなる、というのが筆者の答えである。
だから「ネトウヨ」が守ろうとしているのは「日本国」ではなく「日本における自分の場」である、と。