11月22日に開会した熊本市の定例市議会に、生後7カ月の長男を抱いて議場に入った緒方夕佳議員。

緒方議員の狙いはどこにあったのか。海外で報じられるまでに騒動が拡大したことについて、どう感じているのか。BuzzFeed Newsは本人に直接取材した。

ーーなぜ今回、お子さんを議場に連れてきたのでしょうか

世の中には多くの働く母親が直面している「厳しさ」があります。

仕事と子育てが両立できない、0歳児でも預けないといけない、預けられないから仕事を諦めたーー。議員活動をしているなかで、多くの子育て世代の人たちから、数限りない声を受けてきました。

職場や社会では「個人の問題」「自己責任」というような形で扱われてしまう。負担がのしかかりながらも、なんとかしようと頑張っている方々がたくさんいます。

私自身も今回、第二子の出産を機にそういった厳しさに直面しました。「みんなの悲痛な声をいい加減聞いてほしい」と感じ、議場に赤ちゃんと座ることで、多くの声を体現しようと考えたんです。

ーーその行動に至る経緯は

2016年11月、議会事務局に妊娠報告をした折に、「妊娠中や産後も、議員活動を続けていきますので、サポートお願いします」と伝え、たとえば議場に赤ちゃんを連れて行くことや、託児所の設置などを求めたんです。

「自分のため」という風に言ったわけではありません。傍聴者や来訪者、ほかの議員、さらには控え室のスタッフなどが使えるような棟内託児所の要望でした。

しかし、全部NOだった。そのため、ベビーシッター代の補助制度などはどうか、と求めていきましたが、無理でした。

出産前に無理して議員活動をしていたこともあり、出産後は体を壊し、しばらく歩けないようになった。7ヶ月ほどお休みをいただいたのですが、12月議会から復帰したいと思い、議会事務局と再びやりとりをしました。

その際、事務局側の対応は「議員さんは控え室もあるので、個人でベビーシッターを手配して見ていてもらいたい」というものだった。

「個人的な問題」であるようにされたことに対し、私は疑問を感じたとともに、これこそまさに、「厳しさ」だと痛感したのです。そうして今回の行動に至りました。
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