インフルエンザにかかって急に走り出したり、飛び降りたりするなどの異常行動が後を絶たないとして、厚生労働省は22日、
ドアや窓を施錠するなどの対策を促す新たな通知を都道府県に出すことを決めた。共同通信が伝えた。
昨シーズンは子どもを中心に少なくとも54件報告された。治療薬タミフルとの関連が以前から指摘されているが、薬の種類や
服用の有無にかかわらず起きており、流行入りを前に同省は「対策を徹底して事故を防いでほしい」と呼び掛けている。

通知は新たに
(1)窓や玄関の施錠
(2)窓に補助錠を設置
(3)一戸建ての場合は1階に寝かせる
など、より効果が期待できる対策を盛り込むことを検討している。
また、タミフルだけでなく、他のインフルエンザ治療薬でも同様のリスクがあることを明記する。

厚労省の副作用報告によると、昨シーズンにインフル治療薬を服用した患者のうち、飛び降りや転落につながる異常行動が
タミフルで38件、リレンザで11件、イナビルで5件の計54件あったことが報告された。
同省研究班の別の調査では、服用せずに異常行動を起こしたケースも複数あった。薬の使用や種類に関係なく、高熱が引き
起こしている可能性が指摘されている。
うちリレンザとイナビルを使った10代の2人は、自宅マンションから転落するなどして死亡した。薬との因果関係は分かっていない。
厚労省は2007年、10代へのタミフルの投与を原則中止している。

同省はこれまでにも都道府県や医療機関向けに発出したことがある。対策として原則発熱後2日間は子供を一人にしないよう
求めていたが、現実的に困難だとの指摘があった。
インフルエンザに伴う異常行動の研究班代表を務める岡部信彦・川崎市健康安全研究所長は、
「薬の種類や服用の有無にかかわらず、異常行動の報告は毎年一定数ある。男児に多く、小学校入学前後から増える。
子どもから目を離さないことには限界があるが、家の施錠や、窓付近に踏み台になる物を置かないなど、細やかな目配りが
事故を防ぐことを知ってほしい」と話している。

https://jp.sputniknews.com/life/201711234304942/