◇愛知県警中署 容疑者宅前の路上で女性の服つかみ引っ張る

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171121-00000098-mai-soci
 いわゆる「ごみ屋敷」を片付けに来た女性の服をつかみ引っ張るなどしたとして、愛知県警中署は21日、住人の名古屋市中区松原2、無職、相沢秀行容疑者(61)を暴行容疑で現行犯逮捕した。
相沢容疑者は、大量の空き缶や衣類、食器などを自宅から道路へあふれ出させているとして、市や警察から何度も警告などを受けていた。

 逮捕容疑は21日正午ごろ、容疑者宅前の路上で、横浜市の女性がごみを片付けようとしたことに激高し、女性の服をつかみ引っ張るなどの暴行を加えたとしている。
道路にごみが散乱しているとの通報を受けて現場にいた警察官が、取り押さえた。相沢容疑者は「女性を止めようとしただけで暴行は加えていない」と容疑を否認しているという。

 中署によると、女性はごみ屋敷から出たごみを片付けるNPOの運営者。21日は近隣住民から要請を受け、片付けに来ていた。

 相沢容疑者宅は3階建てで住宅街にある。中署や市によると、十数年ほど前から室内に大量のごみのようなものが窓越しに見えるようになり、2014年夏ごろには住宅前の歩道へはみ出すようになった。
市は15年6月、道路法に基づく撤去命令を出したほか、繰り返し指導。現在も週に2〜3回パトロールしているという。中署もごみを片付けるよう警告し、先月も文書警告した。【道永竜命】

 ◇名古屋市、11月議会に「ごみ屋敷」問題対処の条例案提出

 名古屋市は21日に開会した市議会11月議会で、「ごみ屋敷」問題に対処するための条例案を提出した。市が「ごみ」
と認定した物品を私有地などから強制的に撤去できるようにするほか、立ち入り調査などを正当な理由なく拒否した場合に過料を科す。来年4月の施行を目指す。

 市によると、ごみ屋敷で所有者がごみを「資源」と主張することが多く、現状では私有地での強制撤去もできない。職員との接触を拒む場合もあり、問題が長期化しがちだ。
市は、条例の対象を「物品の堆積(たいせき)により、火災の恐れや悪臭などがあり、周辺の生活環境が著しく損なわれている状態」と定義する。

 市によると3月末時点で、ごみ屋敷は市内に20軒以上ある。21日に暴行容疑で逮捕された男の事例も、条例案を出すきっかけとなった。【三上剛輝】