「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)11月17日(金曜日)
          通巻第5506号  
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 独裁37年のムガベ、子飼いの軍人が裏切り、ついに倒れる
  中国の保護領だったジンバブエの独裁が終わるのに中国は驚いていない?
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 ジンバブエの首都ハラレで軍事クーデタが成功した模様である。
 37年もの長きにわたってジンバブエを支配してきたムガベ大統領とその一族は、中国の支援で延命できた。
通貨の大暴落によるハイパーインフレに悩み、物価は2、000、000倍。
国民の不満は爆発して、前回の選挙でムガベは事実上敗北していたが、誤魔化しと不正投票で「勝利」と宣伝した。

その選挙カー、揃いのTシャツからチラシの印刷まで、中国が丸抱えだった。
しかしジンバブエ通貨は市場では通用せず、なんと法定通貨は中国の人民元。
そして町では米ドルとユーロ、一部は南ア通貨のランドの取引となった。

93歳のムガベは老衰が激しく、昔の演説を何回も繰り返したりして、周辺の呆れがちだったが、
後妻のグレースが、大統領夫人の座を笠にして浪費を重ね、国内ばかりかボツアナやナミビアなどに豪邸を建て、
国民や野党から「グッチ・グレース」と罵られてきた。周辺では次期後継が、
この悪名高き後妻となると、ジンバブエの政治腐敗はさらに進行すると懸念の声があがっていた。

15日早朝に軍隊が出動し、ムガベ大統領を自宅に軟禁し、何台かの戦車とともに、政府機関、国会、放送局などの拠点を軍事制圧した。
ムガベと並ぶ独裁女、グレース夫人は所在不明。
そして16日、南アに亡命していたエマーソン・マナンガグワが急遽、ハラレへ帰国した。マナンガグワはムガベ独裁の右腕だったが、
ふたりは仲違いし、南アにさっと身を隠していた。国外から軍と連絡を取り合っていた。