マーケティングコンサルタントの西川りゅうじん氏は、こう指摘する。

「カラオケは以前、ボウリングやディスコなどとともに、2次会の定番でした。00年ごろまでは、上司と部下で一緒に行くことも多かったでしょう。終身雇用・年功序列が当たり前の時代、
会社の部や課は一つの家族のようでした。今は帰属意識が薄れ、『上司に誘われたら行かないと』とはなりません。上司とカラオケというと、『え?』みたいな感じ。
お酒を飲まない若い世代が増えたり、2次会を控える風潮もあります。無理強いすると、パワハラになってしまいますしね」

 過去20年で、職場環境が大きく変わった。00年代初めのITバブル崩壊、08年のリーマン・ショックなど景気低迷が続き、リストラの嵐が吹き荒れた。部下は愛社精神を失い、
上司は部下のパワハラ・セクハラの訴えにおびえる。

 経費節減でタクシーを使えず、帰りは終電で。飲み会は1次会で切り上げ、帰宅して家族との団らんか自己研鑽。そんな若手・中堅社員が増えた。
近年は景気が好転したが、かつての職場環境にはもう戻りそうもない。

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