まれに見るほどアップダウンの激しい、目の回るような選挙情勢の変転である。
希望の党が彗星のごとく登場した直後には「自民、単独過半数割れか?」との観測が広がったが、
その希望への民進党の解党的合流のゴタゴタが災いして、たちまち失速。
今週月曜日の毎日新聞では「自民、最大300超も」という驚愕の予想まで飛び出した。

安倍はさぞかし鼻高々で、さあいよいよ改憲発議にまっしぐらと張り切っているんでしょうね?
と自民党のベテラン秘書氏に聞くと、意外な答えが返ってきた。「それが、そうでもないんだ」と。

まず基本的に、安倍はこの政局に自信を持っておらず、むしろ怯えている。
モリカケ疑惑は、彼の精神がほとんど壊れそうになるくらいの心労となっていて、
それを取り巻きが「有権者なんて3カ月前のことは覚えていないんだから大丈夫ですよ」
と言って尻を叩いているけれども、安倍は不安で仕方がない。

改憲にしても、日本会議系の提言に従って、「9条1項2項は触らない、
3項を付け加えて自衛隊の存在を明記する」という迂回路線を提起したものの、
自民党本来の改憲派からは邪道だと批判され、公明党からも姑息だと顔をしかめられて、
宙に浮いた形になっている。この案で自信を持って突き進むという心境になっていないというのである。

自民党の中堅参院議員に聞いても、こう言っていた。
「多くの候補者が、菅官房長官や河野外相とのツーショットのポスターを張っていて、
安倍とのポスターを出している人は少ない。
選挙応援も、来なくてもいいと向こうから断られるケースが多いそうです。
安倍本人も、ヤジを浴びせられるのが怖くて、遊説日程を明らかにしなかったり、
直前に変更したり、コソコソと逃げ隠れしている。
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