中国 無痛分娩の是非めぐり大論争 産婦の自殺受け波紋
2017年10月19日 19:19 発信地:中国

「吸って、それからゆっくり吐いて。さあ、想像してみてください。あなたは今、白い砂浜を歩いています。足元を洗う波を感じましょう」。睡眠術療法の資格を持つフー・チュンライさんが上海で行っている、
妊婦を対象にした出産教室の様子だ。分娩時に避けて通れない痛みに対処する方法を教えている。「押し寄せる波は安らぎを運んで来ます。波が引くときは、苦痛を持ち去って行きます。1、2、3、はい
リラックスして」。出産を控えた女性たちに語りかける。

中国で分娩中の女性が自殺したニュースは、なぜ出産時の疼痛(とうつう)管理、すなわちペインコントロールを選べる余地がほとんどないのかという問題をめぐり、国内で議論を巻き起こした。

陣痛を和らげる硬膜外鎮痛法を用いた分娩は、米国では自然分娩の約80%を占めるのに対し、中国では10%以下。その理由は、特に公立病院における麻酔医の不足によるものが大きいと、広州母子
医療センターのソン・シンロン麻酔科長は現地の英字紙チャイナ・デーリーの取材に答えている。中国には2016年時点で8万5000人の麻酔科医がいるが、中国国家衛生計画出産委員会によると、
医療機関で必要とされている数は30万人だという。

http://www.afpbb.com/articles/-/3147017
http://www.babycome.ne.jp/photo/member/150925/l/955847.jpg