◆ベトナム人70人が入居拒否

 川口鋳物工業協同組合の新宿舎をめぐっては、埼玉県川口市内の鋳物工場で働くベトナム人実習生約七十人が寝室の狭さを理由に、入居を拒否する事態になっている。
実習生らは「新宿舎では健康に暮らせない」とし、全員の署名が入った要望書を七月二十日付で受け入れ団体の理事長に提出。「引っ越ししないように助けて」と訴えている。

 川口市によると、実習生は現在、市産業文化会館に入居しているが、会館は老朽化で二〇一九年に解体されることが決まっており、組合が鉄骨三階建ての新宿舎
「川口技能実習生研修センター」を建設した。総工費は約四億五千七百万円で、市が約二億円を補助した。

 新宿舎の寝室は平均一二・三平方メートルで、四人一部屋。二段ベッドが二つとロッカーが四つ置かれる。会館の部屋に比べると、一人当たりのスペースは狭いとされ、
新宿舎を視察した碇(いかり)康雄市議は「ベッド以外のスペースは、一人通るのがやっとだった」と話す。

 別の受け入れ団体の中国人実習生らは既に新宿舎に入居しているが、ベトナム人実習生約七十人は、三月の内覧会で撮影された室内写真や図面で間取りを知り、
転居に難色を示している。三十代の実習生は「すごく狭い。荷物や冷蔵庫を置く場所もない」と憤った。

外国人実習生の宿舎待遇策 改善規定、3カ月で後退
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201710/CK2017100902000123.html