「たすけて」。神奈川県大井町の東名高速道路で6月、静岡市清水区の
自動車整備業男性(45)、妻(39)夫婦が死亡した事故で、夫婦の車に
同乗していた小学6年の次女(11)は無料通信アプリ「LINE」を使い、
状況をリアルタイムで友人に伝えていた。目の前で両親を亡くした
高校1年の長女(15)は10日までの静岡新聞社の取材に、「父と母を返してほしい」と語った。
事故は東京・お台場の遊園地などを訪れた帰り道で発生した。娘2人
によると、一家のワゴン車は、自動車運転処罰法違反などの疑いで神奈川県警に
逮捕されたアルバイトの男(25)=福岡県中間市扇ケ浦=の車に前方を遮られる形で
停車した。男性は容疑者に胸ぐらをつかまれ、「車が走っているところに投げ飛ばしてやろうか」
などと脅されたという。男性が車外に出されそうになったところに、大型トラックが追突したとみられる。
この間、3列シートの3列目にいた次女はLINEで「ヤバイ おこられてます」「たすけて がち」などと
友人グループに送り続けた。助手席にいた長女は事故の瞬間、肩に食い込んだシートベルトが
痛くて目をつぶった。目を開けると、既に両親の姿は車内になかった。長女は「なぜ高速道路に車を止めさせるような危険なことをしたのか」と涙を浮かべた。
容疑者の逮捕を受け、男性と30年来の友人の男性(45)=静岡市駿河区=は、
「これでようやくお墓の前で手を合わせられる」と語る。妻の親族の一人は
「まだ分からないことが多い。夫婦の無念が晴れるように、少しでも事実を明らかにしてほしい」と話した。

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