「排除の論理」小池氏の一存 候補選別「左だからダメ」

新党「希望の党」を率いる小池百合子・東京都知事が「排除の論理」を持ち出した。
衆院選を前に、事実上の解党で公認申請した民進党出身の候補者を独自の基準で選別する。
新党との対決姿勢を強める共産は、ふるい落とされる議員との連携に乗り出した。

 「排除いたします」

 小池氏が、29日午後の記者会見で言い切った。

 約6時間前、小池氏は東京都内のホテルで民進党の前原誠司代表と会談。
民進を離党し希望の党に公認申請する候補者について、調整を急ぐことを確認した。

 自民党から旧社会党出身者まで、幅広い人材を抱えた民進党。引退議員を除いて前職は81人、元職・新顔の公認内定者137人と合わせると218人に上る。
前原氏は「民進党すべての候補予定者を公認してほしい」と記者団に語った。

 小池氏の宣言は、こうした前原氏の意向を否定し、「排除の論理」で絞り込みを図るというものだ。
「野合批判」を避け、民進色を振り払う狙いがある。前日の会見では、安全保障法制への賛否を条件に挙げ、
この日は「安全保障、憲法観といった根幹の部分で一致していることが政党の構成員として必要最低限のことだ」と断じた。

 だが、固まった政策体系を持たない新党だけに、排除するかどうかの実態は、小池氏の一存による選別となりそうだ。
党関係者によると、28日に民進側から候補予定者のリストをもらった小池氏は都内のホテルにこもり、
「それは左だからダメ」などと日本地図を片手にスタッフに指示を飛ばしたという。

 希望の党には、過去の発言をチェックし、外国人参政権付与への賛成者を候補リストから外すという意見もあるという。
小池氏は会見で「これまでのお一人お一人の考えを踏まえながら判断する」と述べた。

 小池氏に公認候補の調整を指示された若狭勝・前衆院議員は29日に出演したBS番組で「これから絞った形で面接したい。
私は検事として26年間やってきた。ウソの見抜き方は専門だ」と述べた。

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