事実上解党の民進、希望の党は合流組をランク分けし選別

 「もう、どんどんどんどん、我々の求心力が落ちていく状況は誰の目にも明らかだ」

 28日の民進党両院議員総会。希望の党への「合流」方針に疑問を呈する参加者を前に、前原氏は提案は単なる「合流」ではなく、
「(政権交代の)大きなプラットフォームを我々自身がつくるということだ」と訴え、意義を強調した。

 だが、その「プラットフォーム」自体が、政党にとってゆるがせにできない政策論争抜きの「野合だ」(中堅議員)と指摘されている。

 安全保障法制では、「違憲」と位置づけて白紙撤回を求めてきた民進に対し、希望は「法制の白紙撤回では厳しい安保環境に対応できない」との立場。
消費増税への考え方も真っ向から対立している。

 民進内では「安保とか消費税とか(希望には)乗れない」との声がくすぶり、総会出席者からも「野党として相手の自己保身を攻めていくのなら、
自分たち(の問題)を棚上げすることはできない」との声が上がった。前原氏は、公認や政策について「小池氏と調整する」「私に任せて頂きたい」と繰り返さざるを得なかった。

 ただ、こうした意見は少数派だ。希望の公認を民進として強制的に一括申請する形を取ることで、これまでの主張との整合性を問われたり、
希望側から拒まれたりしても「党の決定に従っただけ」と弁解できる余地を残したからだ。

 民主党政権で首相として消費増税の必要性を訴えてきた野田佳彦前幹事長は「執行部の判断に従う」と記者団に説明。
社民党出身の阿部知子氏は「安保法制がどうとか、憲法観が違うというのとは別に、私は小池さんとも十分やっていける」と語った。

 希望では、民進前職らの選別作業が始まっている。同党関係者によると、過去の発言などを元に「A」「B」「C」とランク付けをしているという。
細野豪志氏は記者団に「三権の長を経験された方にはご遠慮頂いたほうがいいのではないか」と述べた。首相経験者の野田氏と菅直人氏が念頭にあるとみられる。

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