恋愛感情がないのに、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使ってうその告白をする通称「ウソ告」が、中学生らの間で流行している。
友人からウソ告を迫られ、断ると仲間外れにされることもあるという。神戸市で先月開かれたフォーラムで実態の一端が明らかになり、
教育関係者は「恋愛というデリケートな分野だけに、大人も立ち入りにくい。いじめに発展しないよう、注意深く見守りたい」と話す。(上田勇紀)

 「友だちから『お前やってみろよ』という感じで告白するよう迫られ、しなかったらハブられた(仲間外れにされた)」

 「ウソ告はよくある」

 神戸市内で8月下旬に開催されたスマートフォン(スマホ)の適切な利用を話し合うフォーラム。複数の中学生が「ウソ告」の実態
について証言した。

 ウソ告とはうその告白の略。ラインなどでうその告白をして、相手が「付き合ってもいい」などと答えたら、「うそだった」などと明かして
ばかにする−という流れだ。

 インターネット上では、こうしたウソ告のやりとりを表したラインの画像や、ウソ告への対処法を記した文章を幾つも見つけることができる。
それらを見ると、ゲーム感覚で急速に広まっていることが分かる。

 背景には、恋愛とネットとの関係が密接になっていることがあるようだ。フォーラムでは女子中学生が「会ったことはなく、ネットでやりとり
するだけで、付き合っていると考える友だちもいる」と発言。共通の趣味に関する話題がネット上で盛り上がり、やりとりを重ねるうちに
恋愛感情に発展したのだという。

 一方、ネットがトラブルを生むケースも多い。兵庫県教育委員会によると、2015年度の県内公立学校の問題行動調査(複数回答)では、
いじめの中でパソコンや携帯電話を介したケースは約6%。小学校2・2%、中学校8・5%、高校24・1%と、年齢が上がるにつれて増えている。

 県教委の担当者は「ラインの文面を教員が見ることは難しい。保護者とも連携し、いじめなどにつながらないよう対応を考えたい」とする。
文部科学省はいじめ相談を会員制交流サイト(SNS)で受け付ける窓口設置を検討するなど、新たな対応を模索している。
https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201709/0010582394.shtml