「公邸に泊まった次の日だけ発射している。これは今後、政府が何も言わなくても首相動静を見て公邸に泊まると思ったら、次の日はミサイルが飛ぶのか」

事前通告のない北朝鮮のミサイルが北海道の襟裳(えりも)岬上空を通過した2日後の8月31日。
首相官邸で行われた菅義偉官房長官の記者会見で、東京新聞の望月衣塑子(いそこ)記者がこんな質問をぶつけた。

さらに望月記者は「前夜にある程度の状況を把握していたとなると、なぜ事前に国民に知らせていないのか」
「9月9日にまた発射するんじゃないかという情報があるが、前夜に泊まるのか」とたたみかけた。

果たして望月記者が指摘するように、本当に公邸に泊まった次の日「だけ」、ミサイルが発射されているのか。
確かに8月「だけ」調べると、首相が公邸に泊まったのは25、28、31日夜の3泊のみで、このうち25、28両日の翌朝にはそれぞれ北朝鮮からミサイルが発射された。

だが、本紙で掲載している「安倍日誌」で今年1月からの首相の動向を調べてみると、首相の公邸泊と北朝鮮のミサイル発射は直接関係ないことがはっきりと見えてくる。
首相は今年、9月14日までに公邸で計74泊した。

傾向としては、外国の要人を招いて公邸で夕食会を開いた夜や翌日早朝から国会出席などの公務が予定されている場合は公邸に宿泊することが多い。

一方、北朝鮮は今年、発射直後に爆発したものや日本の排他的経済水域(EEZ)内に着水せず、日本の安全保障に影響がなかったものも含めると、9月15日までに15回のミサイル発射を強行している。
だが、発射前日に首相が公邸に宿泊していたのは、8月の2回以外では6月8日と7月28日にとどまる。

プロの新聞記者ならずとも、公開された上記のデータを調べれば事実はすぐに分かることだが、望月記者はそういう取材はしていないようだ。

政府高官は「公邸でも私邸でも外遊先でも、首相は指示を出せるし、連絡はできる態勢は常にとっている」と強調した上で
「兆候が分かったとしても、いつミサイルを発射するかなんて、分からない。分からないからこそ、常に準備をしておくことが重要だ」と話した。

(長いので抜粋)

http://www.sankei.com/premium/news/170918/prm1709180004-n1.html