「神は人間が考えた」なんてことは一つの考えとして頭に浮かんでも、
それを打ち消すことが出来なければ修道士にはなれないだろう。適性がないということだ。
神に帰依する覚悟を持って修道院に入る彼らにとってそれは「幼稚な考え」なのであって
仮に悪魔の言葉として暗号文を書くとしても、自分の本心であれば修道女としては終わりだろう。
何を装ったかではなく、本心かどうかが問題だ。

また、本当に気が狂っていて、心の奥底にあった「本当は神なんて人間が考えたのだ」という考えを
書いたのであれば、口にも出すだろう。狂人なのだから。教会からは追放される。
つまり、この修道女は正気だったと思われる。
そして、おそらくは敬虔な修道女だったのだろう。だから文書がこうしてキレイな状態で残されている。