ひき逃げで富裕層の容疑者逮捕されず 批判高まり国際手配 タイ

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170913/k10011137011000.html

タイで、5年前にひき逃げ事件を起こした地元有数の富豪の子息が、海外旅行を繰り返すなど自由気ままな生活を続けた末、ようやく国際手配され、地元メディアは、富裕層に対する捜査当局の対応の甘さを批判しています。
国際手配されたのは、タイ有数の飲料メーカーの創業者の孫、ウォラユット・ユーウィタヤ容疑者(35)で、5年前、バンコクの幹線道路で、自動車を運転中、警察官をはねて、そのまま逃げて死亡させた疑いが持たれています。
ウォラユット容疑者は、一時、警察に拘束されましたが、日本円でおよそ160万円の保釈金を支払って保釈され、警察は、その後も逮捕状を取りませんでした。

一方、ウォラユット容疑者も、捜査当局の任意での捜査に応じず、海外旅行を繰り返すなど、自由気ままな生活を続けてきました。
しかし、「大企業の御曹司の犯罪を見逃している」などと批判が高まったことなどから、タイの捜査当局は、事件から5年たった12日までに、ようやくICPO=国際刑事警察機構を通じて、ウォラユット容疑者を国際手配しました。

タイでは、富裕層が、悪質な交通事故を起こしても、賄賂を払うことで、逮捕されなかったり、実刑を免れたりするケースがあとを絶たず、地元メディアは、「大金を払って、刑務所入りを逃れているのは明らかだ」などとして、富裕層に対する捜査当局の対応の甘さを批判しています。