元徴用工問題 ムン大統領は解決済みの立場 韓国大統領府
8月25日 16時01分
太平洋戦争中に日本の工場で働かされた韓国の元徴用工の問題をめぐり、日本で
ムン・ジェイン(文在寅)大統領の発言への懸念が強まる中、韓国大統領府は、
大統領は日本政府と同様に、日韓請求権・経済協力協定によって解決されたという
立場だと説明しました。

韓国大統領府によりますと、ムン・ジェイン大統領は、25日に行われた安倍総理大臣との
電話会談で、太平洋戦争中に日本の工場で働かされた元徴用工の問題について、
「歴史問題が両国の未来志向的な関係発展の足かせになるべきではない」と述べました。

これに関して、大統領府の当局者は記者団に対し、ムン大統領は日本政府と同様に、
徴用工問題は1965年の日韓請求権・経済協力協定によって解決されたという立場だと
説明しました。

ムン大統領は今月、元徴用工らが日本企業に損害賠償を求めている裁判について、
「個人の請求権は消滅していない」とする韓国の最高裁判所などの判断に触れ、
「韓国政府はそうした立場から歴史問題に臨んでいる」と述べていました。

この発言についても、大統領府の当局者は「司法の判断を説明しただけで、
国家間の問題としては解決済みだという従来の政府見解を変えたものではない」
と指摘しました。

元徴用工の問題をめぐって、日本ではムン大統領の発言から、「韓国が従来の立場を
覆したのではないか」との懸念が強まっていたことから、これを打ち消そうとしたものと
見られます。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170825/k10011112321000.html