私が菅官房長官に「大きな声」で質問する理由 東京新聞・望月衣塑子記者インタビュー(抜粋)
――毎日新聞が「鉄壁ガースー決壊」と報じましたが、望月さんから見て「菅話法」が決壊した
瞬間はあったでしょうか?
望月 どなたかがツイッターで「壊れたラジオ」とおっしゃっていましたけど、同じ言葉を
繰り返しているのも、ある種の決壊状態です。「問題ない」「私の担当ではない」と言い続ける
しかないし、本当は答えられるようなことも「何か言ってはマズい」と防御反応が働くから
同じ答弁を繰り返すしかないのかもしれません。この前、TBS『あさチャン!』で菅さんが
「国会で総理が説明した通り」「国会でお答えした通り」と同じ内容の答えを同じ日の
記者会見で計10回も繰り返していたと放送していました。
――「壊れたラジオ」を目の当たりにして、「おかしい」と思うようになった人は増えたと
思います。それが望月さんの空気を読まない質問でわかりました。一方、今は首相に記者が
直接取材する「ぶら下がり」がないんですよね。
望月 8月3日の内閣改造発表後の記者会見でも、決まった社しか指していないと思います。
安倍さんが加計学園の疑惑に対して、記者の取材に直接答えるのが一番理想ですけど、官邸は、
安倍総理を何が何でも護ろうと必死ですから、そうはならないでしょうね。だから、ある意味、
菅さんが一番大変だと思います。総理の疑惑の矢面に立ち、答え続けなければいけないので。
――でも、政権と官邸にアクセスする方法が他にない以上、菅さんに質問し続けるしかない。
望月 ないですよね。私たちがノックできる扉はそこしかないんですから。菅さんは菅さんで、
自分の役回りを充分理解されていると思います。私も周りから「いつまでやるんですか?」と
聞かれますが、しんどい時もありますが、疑惑が尽きない限り、他の人が質問をぶつけないの
ならば、私が行かざるを得ない。行かなくなったら行かなくなったで、「何かあったのか?」
「消されたのか?」と思われてしまうでしょうし(笑)。
http://bunshun.jp/articles/-/3766