「二度と起こさせない」=平和への誓い新たに−原爆忌の長崎

 72回目の原爆忌を迎えた長崎市。式典が開かれた平和公園などには9日、雨の中、朝から多くの人が訪れた。
参加者らは犠牲者の冥福を祈り、「二度と起こさせない」と決意を述べた。一方、平和宣言で触れられている
核兵器禁止条約について、「日本に参加してほしかった」などの声も上がった。

 午前6時ごろ、爆心地を示す慰霊碑には、核兵器の廃絶を訴える高校生ら約150人が集まった。
慰霊碑を囲み手を取り合って「人間の鎖」をつくり、平和への誓いを新たにした。
 静岡県から参加した県立静岡高校2年の今永悠さん(16)は「第五福竜丸」の被ばくに触れ、「静岡は第三の
被爆県と言われている。核の被害を二度と起こさせない」と誓った。

 長崎県立長崎北陽台高校2年の橋本武さん(16)は「核兵器を廃絶し、平和について私たちの意識を
改革していくべきだ」と語った。

 核兵器禁止条約に対する意見も聞かれた。人間の鎖に参加するため、東京から来た高校3年の女子生徒
(17)は「日本には唯一の被爆国として参加してほしかった」と訴えた。

 平和公園での平和祈念式典に参加するため兵庫県明石市から訪れた立石岑生さん(76)は、大学生だった
兄を長崎の原爆で亡くしている。「随分つらかっただろう」と兄を思いやり、核兵器禁止条約について
「核開発をしている国が参加せず、どれだけの実効性があるのか」と疑問を呈した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017080900434&;g=soc
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