秩序が崩壊した状況下、集団自決をする日本人開拓団が相次ぎました。
新京(現長春市)の近くにいた熊本県出身の来民開拓と
広島県出身の高田開拓団は、ほぼ全員が自死しました。
 
互いの頭を小銃や拳銃で撃ち、互いの喉元を刃物で突き、毒を飲み、
母親は我が子の首を絞めて自分は首を吊り、爆薬を爆発させて死亡しました。
沖縄戦の集団自決が「満州」でも再現されました。 
 
来民、高田開拓団が集団自決したのに対して、その近くにいた
岐阜県出身の黒川開拓団650人は奇跡的にほぼ全員が帰国しました。
しかし、黒川開拓団の生存者たちはなぜ帰国できたのか、一切語りませんでした。

70以上年が経った今、90歳代になった黒川開拓団の生存者たちが
語り始めました。
ソビエト軍に若い未婚の女性を「差し出した」ことによって
生存できたと言うのです。
 
侵攻してきたソビエト軍に、黒川開拓団は保護を懇願しました。
ソビエト軍は条件を示しました。

「若くて美しい女を抱かせろ。そうすれば守ってやる」

生き延びるために、このとんでもない条件を飲まざるをえませんでした。
開拓団は未婚の15人の女性を差し出しました。
ソビエト軍基地に設けられた「接待所」で、女性たちは昼夜を問わず、
ソビエト軍の将兵を「接待」させられました。
そこはレイプ収容所に他なりませんでした。

約束通り、ソビエト軍は黒川開拓団を守りました。
開拓団はなんとか帰国できました。そして70年間沈黙しました。

人生の終わりを目前にした生存者たちは、女性を
犠牲にすることによって生存できた事実を語り始めています。
NHK教育が黒川開拓団の封印された悲劇を再放送します。

NHK教育 ETV特集「告白〜満蒙開拓団の女たち〜」
http://www4.nhk.or.jp/etv21c/x/2017-08-09/31/432/2259585/
放送日:8月10日 放送時間:午前0時00分〜 午前1時00分
http://www.labornetjp.org/news/2017/1502106234586staff01