トランプ大統領 移民規制法案発表 与野党から反発が

トランプ大統領は2日、ホワイトハウスで、与党・共和党の上院議員2人とともに、移民制度改革のための法案を発表しました。

それによりますと、グリーンカードと呼ばれる永住権を取得している移民の多くが高い技能を持たない外国人で、アメリカ国民の雇用を奪っているとしています。

そのうえで、高い技能を持ち英語が話せる外国人を優先する制度に改めることで、移民の受け入れを現在の年間およそ100万人から10年以内に半分の50万人程度に削減するということです。

アメリカ第一主義を掲げるトランプ大統領は、「歴史的な提案であり、アメリカの労働者を守るものだ」と強調し、公約とする移民対策に取り組む姿勢をアピールしました。

政府高官とCNN記者が批判の応酬
この法案をめぐって2日に行われたホワイトハウスの記者会見では、ホワイトハウスの高官とCNNテレビの記者が激しく応酬する一幕がありました。

英語が話せる外国人を優先するという制度について、CNNテレビのアコスタ記者が「移民はアメリカに来てから英語を学ぶわけにはいかないのか。イギリスやオーストラリアからしか移民を受け入れないのか」などと疑問を呈しました。

これに対し、ミラー大統領補佐官は「イギリスやオーストラリア以外の国の出身でも英語が話せる人は大勢いるのに、そんなことも知らないのか。あなたの偏見があらわになった。言語道断で失礼極まりなく、無知で、愚かな発言だ」と声を荒らげて批判しました。

アコスタ記者は以前、トランプ大統領から「おまえはフェイクニュースだ」と名指しされるなど政権に対する批判的な報道ぶりで知られていて、記者会見では、自身の父親は英語が話せないままキューバから渡ってきた移民だと反論しました。

一方、ミラー補佐官はトランプ大統領のスピーチライターを務めるなど雄弁なことで知られ、2人は一歩も譲らず、応酬は相手の発言を遮りながら5分ほど続きました。

トランプ政権と政権に批判的なメディアの対立を象徴するような一幕となりましたが、会見に出席していたほかの記者たちからは「泥仕合だった」と冷ややかな感想も聞かれました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170803/k10011085811000.html