【ニューヨーク時事】ヘイリー米国連大使は30日、北朝鮮による2度目の大陸間弾道ミサイル
(ICBM)発射を受け、声明を発表し、「協議の時は終わった」と宣言した上で、北朝鮮への大幅な
圧力強化を容認するよう中国に「決断」を迫った。国連安全保障理事会では4日に行われた
1度目のICBM発射を受け、米中両国を中心に新たな制裁決議の協議が行われており、
米政府が制裁強化へ断固たる姿勢で臨む方針を訴えた形だ。

 ヘイリー氏は声明で「北朝鮮への国際的圧力を大幅に強化しない安保理の追加決議は
価値がないどころか、何もないよりも悪い。北朝鮮の独裁者に対し、国際社会が真剣な対応を
望んでいないというメッセージを送ることになるからだ」と強調した。

 さらに「中国はこの重要な一歩をようやく踏み出すのかどうか決断しなければならない。
北朝鮮体制のもたらす国際平和への危険性は今や万人にとって明白だ」と指摘。石油禁輸など
北朝鮮の不安定化を招く制裁に慎重な中国に対し、強く対応を促した。

 ヘイリー氏は声明に先立ち、ツイッターに「北朝鮮についての協議は終わりだ。
中国は行動しなければならないことを認識している」と投稿。日韓両国にも圧力強化を要請した。

 安保理は4日に行われた1度目のICBM発射の際、日米韓3カ国の要請に基づき緊急会合を
開催した。2度目の発射を受け、岸田文雄外相は緊急会合を含めた対応を米韓両国と
協議するよう指示していたが、ヘイリー氏は声明で「結果を生まないなら開く意味はない」と
消極姿勢を示した。(2017/07/31-09:08)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017073100182&;g=int