日報 公表しない考えで防衛省上層部は一致

破棄したとしていたPKO部隊の日報を陸上自衛隊が実際には保管していた問題で、
ことし2月に防衛省の事務次官や陸上幕僚長など上層部が集まって日報の取り扱いに
ついて協議し、公表する必要はないという考えで一致していたことが、防衛省関係者への
取材でわかりました。
防衛省は、南スーダンで去年7月、大規模な武力衝突が起きた際のPKO部隊の日報に
ついて、陸上自衛隊が破棄したと説明しましたが、実際には陸上自衛隊の司令部に
保管されていたことがことし3月明らかになりました。
防衛省関係者によりますと、この日報の取り扱いをめぐってことし2月15日、防衛省の
黒江事務次官や陸上自衛隊の岡部陸上幕僚長、それに統合幕僚監部の辰己総括官ら上層部が
事務次官室に集まったということです。
この中で、破棄したとしていた日報のデータが陸上自衛隊司令部のパソコンに一貫して
保管されていることが、岡部陸上幕僚長から黒江事務次官に説明されたということです。
そのうえで、「保管されていた日報は隊員たちがそれぞれパソコンに残している個人
データであり、公開すべき行政文書に当たるかどうか不明だ」などとして、公表の必要は
ないという考えで一致したということです。

一方、防衛省関係者によりますとこの会議とは別に、同じ2月15日に防衛大臣室で、
稲田大臣と黒江事務次官や岡部陸上幕僚長らが会議を開いたということです。この中では
陸上自衛隊の情報公開に関して説明が行われ、稲田大臣からは、今回、情報公開請求を
受けてから日報を探すまでにどのような対応をとったのかなどについて質問があった
ということです。
稲田防衛大臣は19日朝、陸上自衛隊が日報を保管していたことを公表しない方針を
了承していたなどと一部で報じられたことについて、「隠蔽や非公表を了承した事実は
全くない」と述べました。防衛省は、日報の問題をめぐる一連の経緯を明らかにするため、
3月から特別防衛監察を行っていて、今月中にも報告書を出す方向で調整が進められています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170719/k10011065291000.html