東京都の市場の移転問題で、豊洲市場の敷地内に整備される予定の観光施設の運営会社が、
小池知事が示した基本方針によって築地市場も観光拠点として再開発されれば採算が取れなくなるとして、
このままでは豊洲から撤退せざるをえないとする意向を東京都に伝えていたことがわかりました。

東京都は、築地市場の豊洲への移転にあわせ、豊洲市場の敷地内に「千客万来施設」という食文化を発信する観光施設をオープンさせる計画で、
神奈川県に本社のある温浴施設の運営会社が整備・運営することが決まっています。

しかし、小池知事が先月、豊洲に移転したあと築地を食のテーマパークとして再開発する基本方針を示したことを受け、
この運営会社は事業の前提条件が変更され、このままでは豊洲から撤退せざるをえないとする意向を東京都に伝えていたことが、関係者への取材でわかりました。
築地に同様の観光施設ができれば、互いに客を奪い合うことになり、事業の採算は取れなくなるなどとしています。

運営会社と東京都は、現在、協議を進めていますが、東京都によりますと、仮に会社の撤退が決まった場合は、
前提条件を変更した都側に違約金の支払いが発生する可能性があるということです。

また、観光施設の整備は、地元の江東区が市場の移転を受け入れる際に地域の活性化策として都に求めてきたいきさつがあり、
豊洲から撤退することになれば地元の反発は避けられず、移転問題の新たな課題となることも予想されます。




豊洲に予定の観光施設 運営会社が撤退の意向
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170711/k10011053561000.html