札幌から宮古島までの日本縦断を目指す韓国人、鄭基鉉(チョン・ギヒョン)さん(31)が6月30日、函館新聞社を訪れた。行程を通じて目の当たりにした日本と日本人の姿を映像化す
る考えで旅を続けており、「人の心にふれながら本当の日本人の姿を知りたい。(映像が)日韓友好の架け橋になれば」と話している。

 鄭さんは2016年、留学先のアメリカで慰安婦問題をテーマとした映画「鬼郷」を鑑賞したことがきっかけで日韓関係に関心を抱いた。「この問題を日本人はどう感じているのか」
を知るために来日を決意。6月22日に札幌入りし、基本的に徒歩で南下する旅をスタートした。

 29日には、知人を介して知り合った七飯町大中山の権龍夫(コン・ヨンブ)さん(68)宅に泊まり、長旅の疲れを癒やした。権さんは「自分の目と足を信じて歩き続ける若者を応援したい」とエールを送る。

 鄭さんは「韓国でも東京や大阪などの大都市は有名だが、今回の旅ではじめて長万部や豊浦という町があるのを知った。旅の途中で出会った人たちからご飯をごちそうになるなど、
触れ合った人たちはいずれも親切だった」と振り返る。

 現在、フェイスブックなど3つのSNSを通じて、計1万1000人が鄭さんの旅を見守っており、記録映像は来年までに映像化したいと目を輝かせる。

 鄭さんは1日にフェリーで青森市に上陸し、当面は仙台までの道のりを目指して旅を続ける。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170703-00000001-hakoshin-hok