―共謀罪についてはどう考えますか?

ケイ 過激派やテロリストの定義にあいまいな表現を用い、政府に広範な自由裁量を与えることは、人権を阻害することにつながるのではないかと懸念しています。
2016年の国連総会で発表した報告書で、私は各国政府に過激派を明確に定義づけ、相応の対策を講じるようにと強調しました。

その中で私は「人権および暴力的な過激主義の防止と対策」についての国連人権理事会決議を批判しています。
というのも、この決議によって、非暴力的であっても政府に批判的な行動をとった人物を過激派と見なしてしまう政府も出てくるだろうと思うからです。

例えば、ロシアではテロリスト思想や活動を支持するような文書を発表すれば犯罪となる法律が採択され、
キルギスでは「国家の尊厳を毀損(きそん)」したり「大規模な混乱」と定義される活動を呼びかけたり、正当化するような文書の作成が禁止されています。