通常国会が16日、事実上閉会した。与党は強引な国会運営で世論の賛否が割れる「共謀罪」法を会期内に成立させた一方、
安倍晋三首相の関与が疑われた「加計学園」と「森友学園」の問題では疑問に正面から向き合おうとしなかった。
政権・与党の強権を前に、野党は有効打を見せられなかった。

 「予算、テロ準備、陛下の退位法案、区割り法案、最後に刑法も含め今国会で通したい法律を全て通せた」。
自民党の竹下亘国会対策委員長は16日、150日間の会期を振り返った。

 「逃げまくり、隠しまくりが総理のご意向。この国会は『総理のご意向国会』だった」。
民進党の山井和則国対委員長は16日の代議士会で、政府・与党を厳しく批判した。
だが、政権追及の材料に事欠かなかったのに、最大の対決法案の共謀罪法などの日程通りの成立を許したのも事実だ。

 民進内には、徹底的な審議拒否をテコに、疑惑追及の場を設けさせるべきだとの声がくすぶり続けたが、
執行部は世論の反発を恐れ、徹底抗戦に踏み切れなかった。
出席議員の一人は会合を終え、うなだれた。「労多くして得るもの少なし。迫力が足りなかった」(石松恒、斉藤太郎)

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