首相 獣医学部新設で圧力働いたこと一切ない

5月29日 14時01分

安倍総理大臣は、参議院本会議で、国家戦略特区での大学の獣医学部の新設をめぐり、
文部科学省の前の事務次官が、「総理の意向だ」などと記された文書は文部科学省で作成されたと主張したことについて、
文書の存在は確認できなかったとしたうえで、新設に向けた圧力は一切ないと否定しました。

国家戦略特区に指定された愛媛県今治市に、学校法人「加計学園」が計画している大学の獣医学部の新設をめぐり、
文部科学省の前川前事務次官は、「総理の意向だ」などと記された文書は文部科学省で作成されたと主張しました。

これについて安倍総理大臣は、参議院本会議で「文部科学省において調査を行った結果、該当する文書の存在が確認できなかったと承知している」と述べました。

そのうえで、安倍総理大臣は「獣医学部の新設は、特区として規制改革項目の追加や、事業者の選定のいずれのプロセスも、
関係法令に基づき適切に実施しており、圧力が働いたということは一切ない」と否定しました。

一方、安倍総理大臣は「そもそも今治市での獣医学部誘致は、自民党政権下で、『対応不可』とされていたが、
民主党政権下で『速やかに検討』と格上げされている。獣医学部の新設という半世紀ぶりの改革に向けて、民主党政権でも大変ご苦労されたものとお察し申し上げる」と指摘しました。

さらに、安倍総理大臣は「規制改革には抵抗勢力が必ず存在する。政局目当てで既得権益に妥協したり、
抵抗勢力と手を結ぶようなことは決してしない。これからも、総理大臣である私が先頭に立って、内閣の総力を挙げてあらゆる岩盤規制に挑戦していく決意だ」と述べました。

このほか、安倍総理大臣は、民進党や共産党など野党4党が求めている、前川氏の証人喚問について、「国会運営は、国会においてお決めいただくことだ」と述べました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170529/k10010999041000.html