相馬双葉漁協組合長で、県漁連副会長も務める佐藤弘行さんが20日、肺炎のため南相馬市内の病院で亡くなった。61歳。
葬儀は26日午前11時半、相馬市赤木一里壇282のフローラメモリアルホール相馬。喪主は長男泰弘(やすひろ)さん。

 佐藤さんは福島第1原発事故翌年の2012年6月に始まった福島県沖の試験操業で、対象魚種や操業海域の拡大などを先頭に立って進めた。13年には組合長に就任した。

 親族によると、昨年5月に大腸がんの手術を受けた後、仕事に復帰したものの、今年4月に再び体調を崩して入院を続けていた。

 東日本大震災では妻けい子さん(当時51歳)を津波で亡くし、海岸近くの自宅も流された。一人息子の泰弘さんは、震災を機に消防士を辞め、父の後を継いで漁師になった。

 試験操業の拡大に慎重な意見もある中、佐藤さんは取材に対し「息子らの代のためにも福島の漁業を一日も早く正常化したい」と話していた。【大塚卓也】
https://mainichi.jp/articles/20170523/ddl/k07/060/010000c