ここは、ぜがひでも、国会やメディアの力で、世論を喚起しなければならない。
東京五輪、テロ防止をキーワードに、共謀罪の危険性を包み隠そうとする政府のウソを徹底的に暴く必要がある。

9.11の同時多発テロ以降、アメリカを中心に急速に監視捜査が広がっている。
スノーデン氏のリークで明らかになったように、CIAやNSAなど米国のインテリジェンスコミュニティはIT技術を使ってネット通信の傍受、盗聴などを行い、世界から多くの個人情報を集めている。

テロ集団、犯罪組織にとどまらない。一般市民にまで無差別に範囲を拡大している。
あなたがたの命にかかわる「テロ対策」なのだから、市民的自由など少々我慢せよといわんばかりだ。

日本政府もそれに追随するかのように、「テロ等準備罪」と名を変えて共謀罪の法案を提出してきた。
共謀罪は二人以上が、対象犯罪について合意、計画し、準備したら処罰するというもので、
合意、計画があったと捜査当局が疑えば捜査に着手できる。

殺人予備など、いくつかの犯罪に既遂、未遂以前の予備罪が設けられているが、それでは不足で、さらに軽いはずの準備罪、合意するだけの共謀も、捜査の対象にしようとするのだ。

実際に犯罪が行われていないのだから、形のないもの、人の心の内やコミュニケーションを捜査するということになる。
それを277種類もの犯罪に適用しようというのである。

常識的に考えて、何の罪もない一般市民が、あらぬ疑いをかけられて、捜査の対象となり、冤罪に巻き込まれる恐れは格段に増えるだろう。

多くの法学者や、ジャーナリスト、有識者が、疑問を呈し、あまたの国民が不安を抱くのは当たり前のことだ。