>>157

さるままに、人の心ようやく悪くなり行きて、恐ろしき世の相を見つべし。
妻は夫に従わず、男は痩せほそりて色青白く、戦さの場に出て立つこと難きに至らん…。
女は髪短く色赤黒く、袂なき衣も着、淫らに狂ひて、父母をも夫をも其の子をも、顧みぬ者多からん…。
よろず南蛮の風をまねびて、忠孝節義はもとより、仁も義も軽んぜられるべし、かくていよいよ衰え行きぬるその果てに…。
地、水、火、風の大いなる災い起こりて、世の人、十が五は滅び、異国の軍さへ来たりなむ…。
この時、神の如き大君世に出て給ひ、人民悔い改めてこれに従い、世の中再び正しきに帰えらなん…。
その間、世の人狂ひ苦しむこと百年に及ぶ…。