4年半前に「金融緩和」、「財政出動」、「成長戦略」の3本の矢で、デフレ脱却を目指して始まったアベノミクスは結果を出せず失敗だった、という見方が広がっていた。
ところが内閣府の発表では、2017年1〜3月期の日本のGDP速報値は年率換算で2.2%増となり、5四半期連続のプラス成長となった。
緩やかながらも回復基調が続いていることから、海外メディアはアベノミクスの効果を認め、安倍首相の手腕を再評価している。

◆景気は回復基調。インフレは起こるのか?
 フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、2.2%という数字はアナリストの予測の1.7%を越え、長期的潜在成長率の0.7%をはるかに上回るものだったとし、
経済が余剰能力を使い果たしており、失業率が下がり続けることを示唆すると述べる。
ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)は、2005-2006年以来、最も長期に渡り経済が拡大しており、景気拡大のペースは前四半期よりも加速していると述べる。
ブルームバーグは、輸出と底堅い国内需要が、成長の牽引役になったと説明している。

 各メディアとも、日本経済が本格的に回復の軌道に乗ってきたと見ているようだが、我々の景気の実感に近い名目GDPは年率0.1%減となった。
JPモルガンのエコノミスト、足立正道氏は、増えた輸入コストを企業が消費者に転嫁しなかったためと指摘し、
ここにインフレを起こすための日銀の苦労が表れていると述べる。
同氏は「成長」が「企業・家計のデフレマインド」と綱引きをしている状態だと現状を説明する(FT)。
NYTは、アベノミクスの量的緩和が成長を押し上げる助けとなったことにほぼ疑いはないとしているが、欠けているものはインフレだと述べ、
物価が動かなければ、今の流れが消えてしまうとしている。




“アベノミクスは正しかった” GDP年率2.2%増、海外メディアが安倍首相の手腕を再評価
http://newsphere.jp/economy/20170520-1/