昔は上司がっていうけどな

上司からがお見合い話っていうのはな
ボンヤリした受け身の男がありつけるものではなかったと思うで

お見合いってな
紹介した人の信頼がかかっとるねん
人となりや経済力なりを信じていいですよとその人が保証したことになるで
だからな
上司はその人の将来を嘱望しているというのと公言するのと同じことや
そのうえな
当時のお見合いっていうのは
紹介者である仲人になるとその夫婦取り持ちする係でもあったで
旦那が浮気したとかな
そういう波風がたてば仲人に相談して
双方を取り持ってもらうもんやった
せやから
上司が見合いを持ってくるということは上司がその人と公私にわたって
末永く付き合いたいといってるのと同じことや
ラインに乗ってるどころの信頼関係ではなかったんやで

それだけのものを背負っているだけに断りにくいお見合いだったんや
なにも優しい処女がくるとは限らないんやで?