サンスポ10/08 05:00
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独立リーグ、ルートインBCリーグ・埼玉武蔵ヒートベアーズの由規投手兼任コーチ(34)が今季限りでの現役引退を決断したことが7日、分かった。2008年に高校生ドラフト1巡目でヤクルトに入団し、10年には当時の日本投手最速の161キロを記録。13年に受けた右肩手術を乗り越え、多くの感動を呼んだ。古巣のヤクルトは育成部門での招聘(しょうへい)を水面下で検討している。

最速161キロの直球と復活劇で夢と感動を与えた剛腕がグラブを置く。ヤクルト、楽天、BC埼玉、台湾楽天と渡り歩いた由規が、現役引退を決断したことが関係者の話で分かった。

涙と感謝に彩られた17年だった。仙台育英高から2008年ドラフト1位でヤクルトに入団し、10年8月26日の横浜(現DeNA)戦(神宮)で当時日本投手最速の161キロを計測。同年12勝を挙げ、エースとして期待された。だが、翌年9月に右肩を痛め、13年4月に右肩関節唇、腱板の手術に踏み切った。育成契約、地道なリハビリを経て、16年には1786日ぶりに勝利を挙げて大きな感動を呼んだ。

18年オフに戦力外通告を受け、楽天と育成契約。20年オフに2度目の戦力外通告を受けたが「燃え尽きるまで挑戦したい」と21年にBC埼玉に入団。22年からは投手コーチを兼任し、若手を熱心に指導してきた。

今年9月19日のヤクルト-広島(神宮)では、ヤクルト球団設立55周年企画として行われた「レジェンドOBファーストピッチ」に登場。球場には「おかえり」の歓声が響き「このような機会はないこと。本当にありがたく投げさせていただき、感謝しています」と感慨深げに話していた。古巣のヤクルトは育成部門での招聘を水面下で検討しており、実現すれば7年ぶりの復帰となる。