とりわけ痛烈だったのが、辛口の批評を行ってきたコラムニストのナンシー関さんだった。

「ナンシーさんには『ゆるいバラエティー番組を作った男』とか、毎週のように
ボロクソ書かれていました。ちょうど、80年代半ばくらいに前田日明さんが格闘技
色の強いUWFという団体を立ち上げて人気があった。それに応じて、テレビの世界も
『ロープに相手を振ったら返ってくる』みたいな従来のプロレス的なものから、関節技
や打撃が中心でガチな空気が漂うものに移ってきた。ナンシーさんもガチスタイルが
好きだったと思うので、僕みたいにプロレスをやり続けている人間は好きじゃなかった
でしょうね」。

それでも「悪評も評価のうち」と自らを鼓舞してきた中山。その真意について
「格闘技のようなスタイルでやると、プロが見たら『面白い!』ってなるんですけど、
やっぱりあれは1ヶ月に1回くらいのペースじゃないとできない。いろんな尺度が
あると思いますけど、僕は『テレビに出続けることが大事だ』と考えていたので、
プロレスをやり続けた。だから、ナンシーさんの酷評に対しても『全員の考えを
変えることは無理だから、オレは自分が合っていると思うことをやろう』と考える
ようになりました」と言葉に力を込める。