Tadashi Sudo
ファイナンス決算
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 配信プラットフォーム大手U-NEXTの業績が急拡大している。2024年4月9日、U-NEXT HOLDINGSは2024年8月期第2四半期決算を発表した。連結売上高は前年同期比13.8%増の1522億4900万円、営業利益は65.7%増の158億1300万円と大幅な増収増益となった。

 なかでも動画配信などU-NEXTを中心とするコンテンツ配信事業は、伸びが大きかったひとつだ。第2四半期までに売上高は525億6700万円(36%増)、営業利益は43億7300万円(32%増)と、いずれも3割を超える伸びとなっている。

 コンテンツ配信事業の成長は、2023年6月のParaviとの経営統合効果が大きい。それまでおよそ290万人であった課金ユーザーは、統合により一挙に386万人まで拡大した。その後も会員は増え続け、2024年第2四半期末の段階で課金ユーザーは427万人、前年同期比で135万人増にまでなった。この結果APR(一年間に見込める課金ユーザーからの収入)は、およそ1000億円規模になった。

 規模の拡大は、業界におけるポジションも向上させている。U-NEXT はGEM Partnersの調査レポートを引用し、2023年の業界シェアが過去最高の15%であったとしている。これはシェア22%のNetflixに続くもので、13%のAmazon Prime Videoや9%のDisney+を上回る。かつNetflixが前年比でシェアを落としたのに対して、U-NEXTはシェアを拡大している。

 U-NEXTは自社の強みについて、動画だけで36万本という作品数の多さ、見放題と都度課金のハイブリッドなビジネスモデル、月額1200 円分のポイント提供などを挙げている。今後も作品のカバーの多さ、ラインナップの豊富さで差別化する構えだ。

 同時にU-NEXTでしか見られない独占配信作品も強化するとしている。またこれまで注力してきた映画、アニメ、ドラマだけでなく、スポーツと音楽を強化するとしている。かなりの積極路線だ。

 U-NEXTは好調な業績から通期業績予想を上方修正した。このなかでコンテンツ配信事業の通期売上高は1080億2000万円、営業利益は840億円と予想した。