DDT7日の新宿フェイス大会で〝荒鷲2世〟坂口征夫(50)がHARASHIMAを相手に引退試合に臨んだ。

 最後は〝らしい〟壮絶な戦いとなった。序盤から激しい攻防を繰り広げると、中盤には互いに胸を突き出してミドルキックを打ち合ってからハイキックを交錯させて両者がダウン。そしてやってきた最後の瞬間、HARASHIMAの猛攻でダウンした坂口は最後の力を振り絞ってヒザ立ちすると両手を広げ、鬼気迫る表情で「来い、HARASHIMA!」と絶叫だ。これに天を仰いで涙をこらえたHARASHIMAから渾身の蒼魔刀を叩き込まれ3カウントを聞いた。

 試合後、HARASHIMAからは「最後の対戦相手に僕を指名してくれて本当にありがとうございます。坂口さんは本当に同世代としていつもコンディションよく頑張っていて、僕も力をもらって一緒に頑張れていました」との感謝の言葉。さらに「最後まで強かったし、かっこよかったです。リングの上だけじゃなく、リングを降りてお酒の席だったり、他団体の人とのちょっといざこざがあった時でも坂口さんがいてくれたことが心強かったし、いつも助けられています。本当にまだまだ坂口さんが強くてできるのにリングを降りるのは悲しくて悔しくて…。最後に本当に、いつもかっこいい姿を見せていただいてありがとうございました。お疲れさまでした」と頭を下げられた。これに坂口は「今日でリングを降りますけど、自分がやってきた役目っていうのをHARASHIMAさんに戻したいと思うし。まだまだこれからっすよ。だからこのまま強いHARASHIMAさんでこのDDTのリングを守っていってください」と応じ握手した。

 すると会場のモニターに弟の坂口憲二が映し出され「兄貴、DDTでのプロレスラーとしての活動、お疲れさまでした。大きなケガなく今日を無事に迎えられたことを身内的にはホッとしています。小さいころから戦うことが大好きで柔道、空手、総合格闘技もしたし…、ケンカもたくさんしてましたね。いつも『やるかやられるかだよ』と言われていました。父親のこともあってプロレスラーになるには覚悟が必要だったと思いますが、いちレスラーとして立派な功績を残せたと思うし多くのファンに喜んでもらえたと思います。兄貴と両国のリングに立てたこと、一生の思い出です。やるかやられるかのスタイルでこれからの人生も突っ走ってください」とメッセージが送られた。

 最後に改めてマイクを持った坂口は「11年半、このリングに立てたことを誇りに思います。応援してきてくれたお客さんたちにも、感謝しています。これからもこのリングの上はどんどん変わってくると思います。どんどん変わっていって、もっともっと大きくなって、見に来てくれるお客さんに夢を与えていくと思います。だから選手もお客さんに夢を与えていってほしいと思うし、がんばってもらいたいと思います。これからDDTをよろしくお願いします」と呼びかけ。全選手から3回胴上げされると握手を交わしてからリングを降り、深々と頭を下げると大歓声と拍手を送られた。

2024年2月7日 22:24
東スポWEB
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