TBS2023年12月5日(火) 04:00
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/874992

『放浪記』など数多くの演劇やミュージカルに出演した、俳優で演出家の丸山博一 (まるやま・ひろかず)さんが、今年9月29日、腎不全のため亡くなっていたことがわかりました。88歳でした。

所属事務所の発表文によると丸山さんは、「1957年に東宝演劇部と契約し、1958年に劇団東宝現代劇に一期生として入団」。
その後「作家 林芙美子役を森光子さんが演じた舞台『放浪記』(作・演出 菊田一夫)に1961年の初演に出演。中抜けしながらも、2009年の森光子さん主演の最終公演まで出演。その大半は、林芙美子を見守る詩人仲間の上野山 (うえのやま) 役を演じ、当たり役となりました」としています。
丸山さんは「愛嬌と人情味のある演技が評価され、東宝製作の演劇やミュージカルに数多く出演」されたということです。

丸山さんは、第8回(1982年度)の菊田一夫演劇賞を、山田五十鈴主演舞台『横浜どんたく-富貴楼おくら-』の演技で受賞。
葬儀は、家族で執り行われたということです。

《 以下、所属事務所発表文 全文 》
訃報
丸山 博一 (まるやま・ひろかず 本名同じ)
俳優、演出家(劇団東宝現代劇 所属)
1934(昭和9)年11月20日生まれ 秋田県出身 ( 88歳)

『放浪記』など数多くの東宝演劇や、東宝ミュージカルに数多く出演した、劇団東宝現代劇所属の俳優、演出家の丸山博一さんが、今年9月29日に亡くなりました。88歳でした。
丸山さんは、1957年に東宝演劇部と契約し、1958年に劇団東宝現代劇に一期生として入団。同年の芸術座公演『モデルの部屋』で初舞台を踏みました。
作家・林芙美子役を森光子さんが演じた舞台『放浪記』(作・演出 菊田一夫)に1961年の初演に出演。中抜けしながらも、2009年の森光子さん主演の最終公演まで出演。その大半は、林芙美子を見守る詩人仲間の上野山 (うえのやま) 役を演じ、当たり役となりました。
愛嬌と人情味のある演技が評価され、東宝製作の演劇やミュージカルに数多く出演。近年ではミュージカル『ジキル&ハイド』、『ミー&マイガール』、帝劇開場100周年記念作品『風と共に去りぬ』に出演。
第8回 (1982年度) の菊田一夫演劇賞演劇賞を、山田五十鈴主演舞台『横浜どんたく ー富貴楼おくらー』の演技により受賞。

また劇団東宝現代劇の有志による「劇団東宝現代劇 75人の会」の結成に参加しました。
75人の会の主催による舞台『熊楠の家』(1996年上演 小幡欣治作) では丸山さんが演出を担当し、作品の上演成果により、同会は、第22回(1996年度) 菊田一夫演劇大賞、第18回松尾芸能賞研修助成賞を受賞。
近年も、「劇団東宝現代劇 75人の会」の舞台に、出演と演出で参加していましたが、2019年の公演を最後に、新型コロナ禍の影響で、会の活動も中断していました。
2020年にテレビ番組『森光子 生誕100 年 ~放浪記 永遠のメッセージ~』 (NHK BSプレミアム)に、11年ぶりに上野山役の扮装で出演し、森光子さんの想い出を元気に語りました。
来る12月21日・22日に、深川江戸資料館小劇場において、劇団東宝現代劇75人の会として4年ぶりの活動となる『菊田一夫没後50年 リーディングの会』にて、菊田作品を二作上演するうちの『夜汽車の人』の構成・演出を丸山さんが担当することになっていました。ご本人も意欲をもって戯曲の構成にあたっていました。
稽古を目前に控えた11月に、ご本人に連絡がつかない為、劇団員が家族へ確認したところ、今年9月29日に都内の自宅で腎不全にて亡くなっていた事がわかりました。葬儀は家族で執り行われました。
劇団員は丸山さんの遺志を継いで初日に向けて稽古を続けています。『夜汽車の人』は、丸山博一さんによる構成のもと、劇団東宝現代劇の横澤祐一さんが演出を手掛けます。
ご生前のご功績を偲び、謹んで哀悼の意を表します。

【担当:芸能情報ステーション】