園子温監督、ハリウッドへ「日本のプロセスに飽き飽きした」

──映画祭は重視されないんですか?

園:彼らの社会ではヨーロッパの映画祭なんて価値がないので何の武器にもならないですよ。
たとえば『シェイプ・オブ・ウォーター』って映画はベネチアでグランプリ獲りましたけど、アメリカでそれは売りにならないからポスターに全然載せてない。
それより、まだ賞を獲る前だったので、ゴールデングローブとかアカデミー賞とか、国内でノミネートされたことをポスターに出してる。
 彼らはヨーロッパの映画祭とかコンペでの評価に全く興味がないんですよね。
逆にいうとわざわざ出さなくてもプレスの力があるということでもある。世界映画祭ってプレス力のない小国のためのものなんですよ。
小さな国が世界に発信するときに、世界映画祭に出すことでやっとちょっと広がる、そういう意味があるんです。


日本のマスコミはヨーロッパで賞取った是枝やたけしをマンセーし続けてきたけど、
ハリウッドでは全く評価されてなかったんだよな。